【取材記事】安心して続けられる農業、中山間地に住民の雇用を創出

 豊後高田市の草地地域にある(農)グリーンファーム畑は、園芸品目の導入で農地のフル活用と地域の雇用創出で中山間地域での生き残りを図っている。

 平成22年に設立された同法人は、設立時の勉強会に地域の女性を含めた視察を行い、地域総ぐるみで「地域を守る」取り組みを進めてきた。主な取り組みは、

  〇未整備の農地や地域内の集落からの耕作依頼も引き受けながら、そば、麦、大豆のほかニンニク、生姜、大根など多様な園芸品目や原木椎茸栽培を導入し、農地のフル活用と経営品目の多角化を図っている。

  〇市内の集落営農法人と共同でセンチピートグラスの吹付機械を購入し、夏場の草刈作業を軽減させている。

  〇女性を中心とした加工部では、年間を通じてそば餅、かき餅、よもぎ餅、乾燥野菜などを製造し、市内外のスーパーや直売所、地元の祭りなど多くのところで販売しており、集落に女性の雇用を創出している。 など。

 これらの取り組みが評価され、令和元年度には、農林水産省と公益財団法人日本農林漁業振興会が行う「豊かな村づくり全国表彰事業」の農林水産大臣賞を受賞した。

 代表の早田組合長は「15歳で家を出て、ときどき帰郷するたびに荒れていく故郷を見て、43歳の時に『故郷を守る』思いを強くして帰郷した。今後も地域の法人と連携しながら13集落あるこの草地地域をしっかり守っていきたい。」とし、法人の農作業に加わっている息子さんを見ながら「しっかりとこの思いを後継者に伝えていきたい。」と語った。

 <法人の概要>

 集積面積 約33ha(延べ65.7ha)

  水稲5.8ha、飼料用米8.8ha、そば18.5ha(春9.5、秋9.0)、麦類15.5ha、大豆4.5ha、菜種2.3ha、作業受託3.0ha

  人参、生姜、大根、ニンニク、落花生、椎茸 

   2020.2/28 取材